FREX プレゼント

2004年5月号
噂のホンダ
 BIGミニバンの全貌

Newフォレスターは
 どのグレードがいい?

4タイプを徹底比較
走りを徹底比較
ボクサーターボを徹底比較
春のワゴンチューニング入門
サスペンション編
剛性アップ編
ブレーキ編
NEW COMMER VEHICLE
ゴルフ「トゥーラン」
オペル「メリーバ」
オデッセイの真実
どっちを選ぶ?
 標準車とアブソルート

ユーザー徹底調査
本誌ライター陣に聞く

コンセプトは「スポーツ・フレキシブル・ミニバン」。なにやら日本のメーカーが好みそうなキャッチだが、オペルのニューフェイスである。車名は「メリーバ」。2年前のジュネーブショーに「コンセプトM」として出展されたものの進化版だ。そのMを頭文字にし、終わりがAというオペルのネーミングにのっとって命名された。その後ヨーロッパでデリバリーされ好セールスを記録。そして待望の日本上陸を果たした

日本車もビックリの多様なシートアレンジ

これぞミニバン! という感じのスタイリング。全長は4m少々、全幅も5ナンバーサイズに収まる。サイドは各4枚のガラスをもつ8ライト仕様。Aピラーによる死角も少ない
 全長が4040mmだから、ホンダ・モビリオより30mm、トヨタ・シエンタより60mm短く、マツダ・デミオより115mm長い。いずれにしろ、日本でも人気のコンパクトミニバンと同クラスの大きさ。シート配列こそ2列だが、見るからにミニバンだし、わかりやすく言えば、ミニバンの豆柴かミニチュアダックスみたいな感じのクルマがこのオペル・メリーバ、である。
 多くのミニバンがそうであるように、メリーバも既存車種のコンポーネンツを活用しながら作られた。具体的にはフロントフォークから床板前半はヴィータ、サスペンションはアストラといった具合。しかしミニバンのメリーバとして成立するよう床板後半など必要な部分は新規に起こし、居住性に効くホイールベースは、2BOXのヴィータより130mm長い2630mmに設定。これはメルセデス・ベンツAクラスのLよりも35mm長く、クラス最長レベル。踏ん張り感があると思ったら、トレッドもフロントがヴィータより30mmも広く、リヤはクラスが上のアストラCDよりも15mmも広いという。
 スタイリングは見てのとおり。強烈な個性を印象づけるタイプではないが、プレーンでニートで好ましい。サイドビューで見てAピラー直後の三角窓の底辺が前下がりになっているのがわかるが、これは運転席からの視界確保に効いていた。リヤビューが一瞬、スズキ・スイフトを連想するのは想像力の働かせ過ぎ!? 全高が1625mmあるので、駐車場で実車に近寄ると意外と存在感(ボリューム感)があるが、ノーズ部分がごく短く、室内を大きくとったクルマなのだなあ……とは、乗る前から想像がつく。
 室内もシンプルだ。インパネのデザインは、たとえばザフィーラよりデザインのセンスが新しく、無駄な贅肉がない。標準の専用デザインのオーディオは、ボリュームのノブがちゃんと右側に付く。
1〜5シーターとカタログで謳う室内の使い勝手も、なかなか考えられている。とくに3分割の後席は、中央を落とし込んでたたむことができ、標準装備のトラベルアシスタント(中央のBOX)を利用できる。また後部左右席は130mmのスライドが可能なだけでなく、そこから中央に向かって75mm横スライドさせれば、さらに後方に70mmスライド可能になる。背もたれも17、23、29度の3ステップにリクライニングが可能だ。気分が落ち込むのはイヤだが、後席は完全にたたまれた状態では床まで目いっぱい落ち込むので、ラゲッジ床面とつながった広くフルフラットなスペースを作り出す。無論、シートを始め、各部の可動部分の造作は堅牢で、ペナペナ感があったりする日本車とは造りの点で信頼感が違う。
 ちなみに後席は、床面からシート座面までの高さがやや高目なので、人により、学校の健康診断で座高を図る椅子に座っているような雰囲気であるかも。居住スペース自体は、前席はもちろん、後席も足もとも窮屈感はまったくないし、ミニバンとして十分な空間を確保している。
 走りは爽快なフィーリングだった。搭載されるエンジンは1.6リッターで、これにクラッチの自動操作とAT風の自動シフトをしてくれるイージートロニックが組み合わせられる。ギヤチェンジの自動か手動かはシフトレバーを左に押すごとに切り替わり選択できるが、自動モードも、この種の自動シフトとしては作動&制御はさり気なく上手いほうで、ギヤチェンジ時のカクッ!も、アクセルを踏む力をほんの少し抜けば軽微になる。自動シフトは街中でも高速でも違和感なく行われ、高速で6500rpm手前まで引っ張って元気に走ることも可能。100km/h時は5速で2500rpmの少し上で、静粛性も十分。乗り心地も締まってはいるが、前後席ともフラット感があっていい。電動パワステも巡航でも適度な重さを保ってくれる。

▲エンジンは1.6リッターDOHC“ECOTEC”1種類のみ。100ps/15.3kg−mと平凡なスペックだが、ねばり強いトルク特性が身上

▲ザフィーラ(トラヴィック)にも通じる、極めてシンプルなデザイン。MDスロットの上にあるのは2個のMDホルダー

▲AT、ではなくノークラッチの「イージートロニック」。Pポジションはなく、左側に倒してDモード。さらに左に入れるとMTモードに切り替わる。Rは右下。操作は少し慣れが必要だ。だがトルコンを使わず高効率で、燃費には有利になる

▲5人乗車モードではトラベルアシスタントが荷室に張り出すが、これはもちろん脱着可能。リヤシートは4対2対4で分割可倒し、さらに助手席まで折りたためる。極めてフレキシブルなアレンジをもつ


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