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STiバージョンか、スペックBか、WRXか?
250ps、265ps、280ps、3タイプのボクサーターボが生み出す走りの違いとは? |

■フォレスターSTiバージョン
2500rpmくらいからのトルクの充実感は「さすが2.5リッター!」と思えるものだが、1000rpm以下のトルクがかなり薄いため、発進時はレガシィよりも気を遣う |

■レガシイ・ツーリングワゴン2.0GTスペックB
エンジン、足まわりともに良くできており、完成度の高いレガシィ。ターボのレスポンスが良く、グイグイと加速していくエンジンはかなり気持ちいい |

■インプレッサ・スポーツワゴンWRX
引き締まった足まわりで、街乗りではやや硬めのインプレッサだが、ワインディングでは水を得た魚のように軽快で、シャープな走りを見せる |
■フォレスター、レガシィとも安定感に優れている
レガシィの魅力は、その抜群に優れた乗り味だろう。重心が低く、しかも適度な安定感がある。そしてこのクラスのワゴン(セダンを含めても)ではブッチギリの走りの質感を持っている。
インプレッサ・スポーツワゴンWRXは、走らせているとそのコンパクトなボディサイズを実感できる。クルマの四隅まで神経が行き届く手頃なボディサイズと、それを際立たせるような軽快感のあるサスペンションチューンを施されている。
フォレスターSTiは、ひと言でいってしまえば過剰。これは良い面も悪い面もある。良い面は、その抜群の骨太感だろう。すべての操作系、サスペンション系に剛性感が満ち溢れていること。悪い面はそれが過剰なことで、クロススポーツの延長線上にクルマのキャラクターがあると想像すると、その落差に驚く。
ワインディングを走らせてみると、どのような違いがあるのだろうか。タイトなワインディングで、もっとも小気味よく走ってくれるのはインプレッサだ。280psのセダンSTiほど迫力のある動力性能はないが、パワーを抑えたぶん、ひとまわり小さなターボが使え、低中回転域のトルクをしっかり出すことができている。その結果4速ATとのマッチングがよく、タイトコーナーからの立ち上がりでももたつくような加速の鈍さはない。アクセルを踏み込むとすぐさまフワッとトルクが盛り上がり、十分に速いと感じられるだけの加速を見せてくれる。ハンドリングも軽快で、クルマの動きが軽く、右に左にせわしなく曲がるコーナーの連続を軽いステップでも踏むようにスイスイとクリアしていく。
レガシィはインプレッサに比べると、安定志向……と言うか、ひとまわり大きなコーナーを得意とする。車の重量をしっかりとアウト側のサスペンションで受け止めながら、抜群の安定感で高速旋回をこなして見せる。パワーもインプレッサより明らかに強力。加速Gの強さは3速どころか4速になっても衰えない。しかも充実感のあるターボパワーは驚くほど扱いやすい。
フォレスターはどうか。本来であれば、インプレッサやレガシィの得意とするスピード域よりも20km/hくらい低いところにあるのを、チューンによって強引に同じ速域まで引き上げたという印象がある。意外だったのは1000rpm以下のトルクが案外薄いこと。ビッグボアによる燃焼速度の問題なのだろうか? が、それ以上の回転域ではさすがに排気量がものを言う。排気量+ターボパワーの相乗効果でグイグイ加速して行く。とくに2500〜6000rpmでのトルクの充実感は、感覚的にはレガシィを上まわっている。ハンドリングはダンパーを締め上げているため軽快さはあまり感じない。むしろ安定感を強調した味付け。締め上げられたサスペンションによってロールも少なめに抑え込まれている。また前後デフにシュアトラックLSDが採用されている効果で、低中速コーナーではアクセルを踏み込むとグイグイとハンドルを切ったほうに曲がっていってくれる、痛快な旋回性能も持っている。ただし思い切りクルマを振りまわすには少々体力が必要だ。
実際に走らせてみたときの見切りやドライビングポジションはどうかというと、レガシィはさすがに大柄で、扱いにくくはないが、クルマの大きさを感じさせる。シートに着座したときのヒップポイントは低め。インプレッサは逆に非常にコンパクトな印象があり、クルマの四隅に目が行き届く。着座位置はレガシィよりもむしろ高めの印象。フォレスターはアップライトなポジションで明らかにレガシィ、インプレッサより着座位置が高く、アイポイントも高くなっている。ボディサイズからするとインプレッサよりもひとまわり大きく、実際そのとおりに感じるのだが、四隅のつかみやすさはインプレッサ並みに良い。
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全6台、総走行距離800kmの比較試乗を終えて……
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「アクティブビークル」にもっとも近いフォレスター
今回4台のフォレスターを取り替えながら乗ってみて感心したのは、そのマイルドな乗り味だ。足まわりもパワーユニットも含めてだが、ここのマイルドさがじつに快適なのだ。ちょうど身の丈に合っている。運転していて疲れない。X20は期待以上によく走り、よく曲がった。XTのターボのもたらす余裕は、そのままX20の行動半径+100kmを同等の疲労度で走りきることができる。クロススポーツは広がった行動半径の平均スピードを10km/hは高くすることができる。そんなグレード構成になっている。STiはどうかというと、このクルマはっきりいって別格。乗り味はクロススポーツの延長というよりは、インプレッサWRX・STiの兄弟モデルといったニュアンスに近い。個人的には最高におもしろいクルマだと思うが、普段の足に使うとなると、街乗りでランエボやインプレッサに乗るようなもので、過剰な剛性感や重い操作系のタッチが鼻につくのではないだろうか。そこに価値観を見出すことのできる同好の志にはイチ押しのSTiである。
ではスバルの中でのフォレスターの位置づけはというと、大雑把な括り方だが、圧倒的な安定感と余裕あるパワーを持つグランツーリスモのレガシィ。軽快機敏な操縦性を持つスプリンターのインプレッサ、そしてフォレスターはオールラウンドプレーヤーと言ったらいいだろうか。その魅力は、晴天のうららかな日和よりも、むしろ悪天候のときにあえて冒険に出かけたくなるような、いつでも、どこへでも行けるという万能感を与えてくれるところにある。実際、「感」だけでなくその走破性はクロカン4WDに匹敵する。アクティブビークルという語彙にもっとも近いのはこのクルマかもしれない。ただ諸手を上げてフォレスターが良いかというと、じつは不満もある。それはデザインがあまりにスマートにまとまりすぎてしまって、先代にあったアクがなくなってしまったこと。それからやはりもう少しパワーが欲しいということだ。身の丈のパワーは使いやすいが、おもしろいのは身の丈を少し過ぎたところにあるからだ。 |
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